東リの床材と壁紙を徹底解説する完全ガイド
住まいのリフォームや新築計画を進めていると、必ずと言っていいほど目にするメーカー名があります。それが「東リ」です。
ホームセンターの床材コーナー、工務店のカタログ、あるいはインテリアショップの壁紙サンプル帳。個人的な経験では、内装材を選ぶ場面で東リの製品に出会わないことはほぼありません。1919年の創業から100年以上にわたり、日本の住空間を支え続けてきたこのメーカーは、プロの職人から一般のDIY愛好家まで幅広い層から信頼を集めています。
しかし「東リって実際どんな会社なの?」「どの製品が自分の用途に合うの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事では、東リの企業としての特徴から、主力製品ラインナップ、そして実際に選ぶ際のポイントまで、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。
この記事で学べること
- 東リは1919年創業で日本の内装材業界をリードし続ける老舗メーカーである
- クッションフロアからカーペットまで用途別に最適な床材の選び方がわかる
- 住宅・オフィス・医療施設など空間タイプ別の製品選定ポイントが明確になる
- DIYでも施工可能な東リ製品と専門業者に依頼すべき製品の違いがわかる
- 壁紙と床材のコーディネートで失敗しないための実践的な組み合わせ方法
東リとはどんな会社なのか
東リ株式会社は、兵庫県伊丹市に本社を構える内装材の総合メーカーです。
1919年(大正8年)12月、資本金60万円でアメリカのリノリウム会社との技術提携により設立されました。当時の日本ではまだ珍しかった洋風の床材を国内で製造するという、非常に先進的な取り組みからスタートしています。
現在は東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、業種分類は化学工業に属しています。「化学工業」と聞くと少し意外に感じるかもしれませんが、ビニル系床材や壁紙の製造には高度な化学技術が不可欠です。素材の配合や加工技術において、100年以上の蓄積があるということです。
東リの強みは、単に歴史が長いことではありません。住宅からオフィス、医療施設まで幅広い空間に対応する製品ラインナップの広さが最大の特徴です。ビニル床シート、カーペット、カーテン、壁装材と、室内空間のほぼすべてをカバーできるメーカーは国内でも限られています。
東リの主力製品ラインナップ

東リの製品は大きく分けて4つのカテゴリーに分類されます。それぞれの特徴と、どんな場面で選ぶべきかを見ていきましょう。
ビニル床材(クッションフロア・フロアタイル)
東リの屋台骨とも言える製品群です。
クッションフロアは、柔らかいビニル素材でできたシート状の床材で、キッチンや洗面所など水回りに最適です。東リのクッションフロアは、木目調や石目調のデザインが非常にリアルで、一見すると本物のフローリングと見分けがつかないほどの仕上がりのものもあります。
一方、フロアタイルはタイル状にカットされた硬質のビニル床材です。クッションフロアよりも耐久性が高く、オフィスや店舗など人の出入りが多い場所で力を発揮します。個人的には、フロアタイルの施工は比較的DIYでも挑戦しやすいと感じています。1枚ずつ置いていく形式なので、失敗しても部分的にやり直せるのが大きなメリットです。
カーペット
東リのカーペットは、住宅用からオフィス用、さらには医療・福祉施設向けまで、用途に応じた豊富なバリエーションが揃っています。
特にオフィス向けのタイルカーペットは業界でも高いシェアを持っています。50cm角のタイル状になっているため、汚れた部分だけを交換できるという実用性の高さが支持されている理由です。これまでの取り組みで感じているのは、タイルカーペットの色柄を組み合わせることで、オフィスのゾーニング(エリア分け)にも活用できるという点です。
壁装材(壁紙・クロス)
クロスと呼ばれる壁紙も、東リの重要な製品カテゴリーです。
住宅用の量産クロスから、デザイン性の高い1000番台クロスまで、用途と予算に応じて選べます。東リの壁紙の特徴として、防カビ・消臭・抗菌といった機能性を備えた製品が充実している点が挙げられます。特に医療施設向けの製品は、衛生面での要求が非常に高い環境に対応できるよう設計されています。
壁紙の張り替えを検討する際、東リの製品は施工性の良さでも職人から高い評価を受けています。
カーテンおよびその他の内装材
カーテンも東リの重要な製品群のひとつです。遮光性、遮熱性、防炎性など機能面でのバリエーションが豊富で、住宅だけでなくホテルや公共施設でも広く採用されています。
カーテンレールの取り付けと合わせて検討する場合、東リのカーテンはサイズオーダーにも対応しているため、窓のサイズに合わせたぴったりの仕上がりが実現できます。
空間タイプ別の東リ製品の選び方

東リの製品は種類が多いため、「結局どれを選べばいいの?」と迷う方も少なくありません。ここでは空間のタイプ別に、おすすめの組み合わせをご紹介します。
住宅のリビングや寝室
住宅のメインスペースでは、快適性とデザイン性のバランスが重要です。
床材にはクッションフロアまたはフロアタイルの木目調がおすすめです。特にリビングは家族が長時間過ごす場所なので、足触りの良さと掃除のしやすさを両立できるクッションフロアが人気です。壁紙は東リの1000番台クロスから、空間の雰囲気に合ったものを選ぶと良いでしょう。
キッチン・洗面所などの水回り
水回りでは耐水性が最優先事項です。東リのクッションフロアは水に強い素材で作られているため、水回りには最適な選択肢といえます。
壁紙についても、防カビ機能付きの製品を選ぶことを強くおすすめします。水回りは湿気がこもりやすく、一般的な壁紙ではカビが発生しやすい環境です。東リの防カビクロスなら、この問題をある程度軽減できます。
オフィス・店舗
オフィスや店舗では耐久性とメンテナンス性が求められます。
床材にはフロアタイルまたはタイルカーペットが適しています。フロアタイルは土足での使用に耐えられる強度があり、タイルカーペットは防音効果も期待できます。オフィスの場合、東リのタイルカーペットは部分交換が可能なため、長期的なメンテナンスコストを抑えられるメリットがあります。
医療・福祉施設
医療施設では衛生管理が最も重要な要素となります。東リは医療・福祉施設向けの専用製品ラインを持っており、抗菌・抗ウイルス機能を備えた床材や壁材が揃っています。
長尺シートは、継ぎ目が少ないため菌の繁殖を抑えやすく、医療施設の床材として広く採用されています。車椅子の走行にも対応できる耐久性を備えている点も、福祉施設での採用が多い理由のひとつです。
東リ製品のメリット
- 100年以上の技術蓄積による高い品質と信頼性
- 床材から壁紙・カーテンまでトータルコーディネートが可能
- 住宅から医療施設まで幅広い用途に対応する製品群
- 全国の販売網と施工業者ネットワークが充実
注意すべきポイント
- 製品ラインが多すぎて初心者は選択に迷いやすい
- 一部の高機能製品は他メーカーより価格帯が高め
- カタログだけでは質感や色味が伝わりにくい場合がある
- 専門的な製品は施工業者への依頼が必要なケースも
DIYで東リ製品を使うときのポイント

東リの製品はプロの職人向けというイメージが強いかもしれませんが、実はDIYで施工できる製品も数多くあります。
DIY向きの東リ製品
最もDIYに適しているのは、裏面に粘着剤が付いたタイプのフロアタイルです。剥離紙をはがして貼るだけなので、特別な工具がなくても施工できます。
クッションフロアも比較的DIY向きですが、広い面積を一度に貼る必要があるため、フロアタイルよりは難易度が上がります。経験上、初めてDIYに挑戦する方にはフロアタイルからスタートすることをおすすめしています。
リメイクシートを使った小規模な模様替えから始めて、慣れてきたらフロアタイルに挑戦するというステップアップも良い方法です。
プロに依頼すべき東リ製品
一方で、以下のような製品は専門業者への依頼をおすすめします。
長尺シートの施工は、継ぎ目の溶接処理など専門的な技術が必要です。カーペットの敷き込みも、部屋の形状に合わせた正確なカットが求められるため、プロの技術が仕上がりを大きく左右します。壁紙の張り替えについても、広い面積や天井への施工は経験がないと気泡やシワが入りやすいため、仕上がりにこだわるなら業者への依頼が賢明です。
東リ製品を選ぶ際の実践的なステップ
実際に東リの製品を選ぶとき、どのような手順で進めればよいのか。これまでの経験を踏まえて、効率的な選び方をまとめました。
用途と場所を明確にする
住宅の水回りか、リビングか、オフィスかによって最適な製品カテゴリーが異なります
サンプルを取り寄せる
カタログやウェブ上の画像と実物では色味や質感が異なることが多いため、必ず実物サンプルで確認しましょう
施工方法を確認する
DIYで対応可能か、専門業者への依頼が必要かを事前に判断し、予算に反映させましょう
サンプルの取り寄せは、東リの公式サイトや取扱店を通じて可能です。多くの方が見落としがちですが、サンプルは必ず実際に施工する部屋の照明の下で確認することが大切です。自然光と蛍光灯では色の見え方がまったく異なるためです。
東リと他メーカーとの違い
内装材メーカーは東リ以外にもサンゲツ、リリカラ、シンコールなど複数あります。東リの特徴を他メーカーと比較しながら整理してみましょう。
東リの最大の強みは、床材における技術力と製品バリエーションの豊富さです。特にビニル床材やカーペットの分野では、長年の研究開発の蓄積があり、耐久性や機能性の面で高い評価を受けています。
壁紙の分野ではサンゲツがデザインの豊富さで知られていますが、東リは機能性壁紙(防カビ、消臭、抗菌など)に強みがあります。どちらが優れているというよりも、重視するポイントによって最適なメーカーが変わるというのが正直なところです。
ダイノックシートのような特殊な装飾フィルムについては3M社が有名ですが、東リも類似の製品を展開しており、国内メーカーならではのサポート体制の充実さがメリットとなる場合があります。
よくある質問
東リの製品はどこで購入できますか
東リの製品は、全国のホームセンター、インテリアショップ、建材専門店で取り扱いがあります。また、東リの公式サイトから取扱店を検索することも可能です。一部の製品はオンラインショップでも購入できますが、大面積の床材や壁紙については、必要な数量の計算も含めて専門店に相談するのが安心です。
東リのクッションフロアの耐用年数はどのくらいですか
一般的な住宅用クッションフロアの耐用年数は約10年前後とされています。ただし、使用環境やメンテナンスの頻度によって大きく変わります。重い家具を長期間置いた部分は凹みが残りやすいため、家具の下にはフェルトパッドなどを敷くことで寿命を延ばせます。
東リの壁紙はDIYで張り替えられますか
小規模な範囲であればDIYでの張り替えも可能です。東リからはDIY向けの糊付き壁紙も販売されています。ただし、天井や広い面積の施工は技術的に難しいため、仕上がりの品質を重視するなら専門業者への依頼をおすすめします。特に既存の壁紙の剥がし作業は、下地を傷めないよう慎重に行う必要があります。
東リの製品カタログはどうやって入手できますか
東リの公式ウェブサイトからデジタルカタログを閲覧できます。また、紙のカタログについても公式サイトから請求が可能です。ショールームを訪れれば、実際の製品サンプルを手に取って確認できるため、色味や質感を重視する方にはショールームの訪問をおすすめします。
東リの床材は床暖房に対応していますか
東リの製品ラインナップには、床暖房対応の製品が多数含まれています。ただし、すべての製品が対応しているわけではないため、購入前に必ず製品仕様を確認してください。床暖房対応製品には専用のマークが付けられており、カタログやウェブサイトで簡単に判別できます。非対応の製品を床暖房の上に施工すると、変形や剥がれの原因となるため注意が必要です。
まとめ
東リは1919年の創業以来、日本の内装材業界を牽引し続けてきたメーカーです。ビニル床材、カーペット、壁紙、カーテンと、室内空間をトータルでコーディネートできる製品の幅広さは、他メーカーにはない大きな強みといえます。
製品選びで最も大切なのは、「どの空間に」「どんな目的で」使うのかを明確にすることです。用途が決まれば、東リの豊富なラインナップの中から最適な製品を絞り込むことができます。
まずはサンプルを取り寄せて、実際の質感や色味を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。カタログだけでは伝わらない製品の魅力を、ぜひ手に取って体感していただければと思います。