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職人の基本!内装の仕事の心得とは?


内装業に携わる職人の皆さんは、どのようなことを意識して働いていますか? 自分が普段どんな風に仕事をしているか、ふと立ち返ってみるのも良いかもしれません。今回は、職人はどうあるべきか、仕事の心得とはどんなことか、Hangers設立メンバーの倉迫に聞きました。

 

1. 職人は裏方である

—内装の職人にとって基本の心得ってどんなことでしょう?

倉迫:まず何のために仕事をしているのかっていうと、例えば住宅だったら、お客さんが内装によって楽しく幸せに過ごせるように。それから輸入壁紙なんかだと、好きな家具を引き立たせるために壁紙をバックに貼ることもある。デジタルプリントだと、例えばゲームセンターならその空間を盛り立たせるために壁紙を貼る。内装は決して主役じゃなくて、自分らは裏方っていうのを認識しておく必要があるかなと思います。

日本で昔からある掛け軸や屏風でいうと、絵や書などの周りを引き立たせるために飾るのが内装。だから歴史的に見ても、有名な表具師や内装の職人はごく少ない。それはあくまで裏方だからです。技術がつけばつくほど勘違いしやすくて、自分が中心に思いがちになってしまうけど、どんなに上手くなってもどんなに稼いでも、「裏方」っていうのは変わらずに大切にしておくことかなと。

 

—内装業界でそういう認識が浅いんでしょうか?

表具なんかだと歴史があるので親方から最初に教わるけど、特に壁装はそういうものが培われないうちにここ何十年かで急速に広まった新しい職種だから、そういうものが追いついていない。技術的にも足りていなくて、建築で一番クレームが多いのは壁紙です。それは、本来お客さんの満足が大事なのに、安値競争になり、たくさん売ってたくさん貼るというお金を稼ぐ方向に行き過ぎたから。技術も考えも未熟、ただ仕事量は多いまま来てしまった背景があるから、Hangersみたいな一から見直そうという考えに共感してくれる人が多いんです。

 

2. 礼儀を忘れない


もう一つ大事なのは、礼儀。例えば住宅だったらお客さんの家の中まで入り込んで仕事をするわけですよね。昔の表具で言ったら、床の間、仏間に掛け軸を飾ったりする。プライベートなところまで踏み込んで仕事させてもらう意識が大事だと思います。店舗や会社でも同じく敬意を払って仕事をするのは大切だし、良い壁紙を扱う現場ほど、他の業者も良い職人さんが集まる。どんなに高価な壁紙を使っていても、他の業者のものも高価なことが多いので周りへの気づかいも必要です。

どうしても自営業の人が多いので、自分一人で稼いでいる意識になるけどそうじゃなくて、前行程の大工さん、左官さん、その他の業者と仲間などがいて初めてお金になります。他の人とも協力して初めて成立する仕事だから、それぞれの業種に敬意を払わないといけないですよね。そういうことも含めて、僕らは前に前に出て行ったりするものじゃない。周りの人と協力して、何のために仕事してるかをはっきりさせるのが基本の部分だと思います。

 

基本の心得があって、技術を磨く

—次の段階で必要なことは?

技術を磨いていくこと。自分らがどういう立場の仕事かを理解して、次に裏方がしっかりできるように、他を邪魔しない技術を持つのが大事かなと。住宅だったら施主さんの幸せをサポートするための仕事だから、それを邪魔しちゃいけない。美しいものだったら周りを美しく彩って、物に応じてそれなりの技術を提供できるように身につけないといけない。

その辺も課題で、今はほとんどの職人さんが生活のために仕事をして、仕事を毎日埋めることに必死です。どの業界でも、例えば医者なら休診日でも休んでいるわけではなくて、学会の勉強会に出ていたりするけれど、内装業界はそれが一切ない。新商品の説明会なんかもあるけれど、時間がもったいないという人が多くて、職人さんのおそらく95%ぐらいは出たことがないと思います。そんな中で毎日仕事を埋めようとしているのは逆で、新しいものや知らないものがあれば学んで、それを次の仕事に生かすことが大事。クレームが出たら何が原因で、次にどうすればクレームがなくなるかを考えないといけない。その辺はこれから変えていかないと、内装業界はどんどん技術のないクレーム産業になってしまうと思うんです。

自分らは何のために仕事をしているかを理解して、技術を磨いておけば納品が終わってまた選ばれるわけです。飲食店で考えたら、客が来ないと潰れるからどんどん呼んでこいっていうのは違いますよね。美味しかったらリピーターが来るわけで。味だって時代と共に流行りの味も変わってくる。それは内装業界も同じで、新しいものを勉強しないといけない。需要に沿って進化させていく必要があるし、技術は磨いていく必要があります。そしたらだんだんやるべきことが見えてくると思うんです。

 

—技術を磨いていくと仕事がついてくると。

本来はそう。でも現実にはそうなってないので、Hangersが技術を磨く場を提供して、本来のサイクルに戻すサポートをしていこうと思っています。
特に壁紙だったら仕事がたくさんあるので、経験が短くて独立しても仕事は来ます。例えば美容師だったら、指名のお客さんが何人もついて初めて独立できますよね。本来なら独立する基準は、ある程度指名のお客さんが年間ついて、自分の技術も伴うものだと思います。良い仕事をして初めてお金がもらえ、しかも対価は本当ならお客さんが「これだけやってくれたからこれくらい払います」と決める。でも内装業界はそれが当たり前に一律すぎるんです。独立したての人も10、20年やっている人も同じ金額って不思議ですよね。それは技術的なものを無視している証拠で、もっと技術の価値を上げていかなきゃいけない。そのためには表に出て仕事をとることも必要だし、しっかり自分の技術を磨いて、仕事の対価をもらうというサイクルに変えていかないといけないと思います。

 


—裏方ではあるけれど、表に出ることも必要と。

Hangersは3歩ぐらい前に出てるんで、内装業の考えとしてはおかしい(笑)。でも今の内装業界を変えるために出ているだけで、自分達ができるという意味で出ているわけじゃないんです。宣伝するとしたら今の時代であればSNSやホームページなんかも一つの手。ただ表に出るには、それ以上に技術を磨かないといけないと思います。

業界的にこれからどんどん壁紙の総出荷量は減っていくし、安すぎる仕事と良い仕事とが分かれて、技術的に熟成されてくる。もう一度原点に戻らないと廃れていくと思っています。壁紙自体は半製品で、手を加えて初めて納品できるものなのに、施工の部分をおろそかにし過ぎています。そこをもう一度見直さないと壁紙が選ばれなくなってしまう。しばらく安いものが流行ったけれど、今世の中が少し変わってきて、安い物の中でも良い物や、もう一つ上のブランドを求めるようになってきました。だったら僕らは最低限の技術を持たないと、これから競争ができなくなると思うんです。

 

プラスアルファのサービス

職人は技術で仕事をしていかないといけない、そして技術は進化させていくというのが根本にあって、あとはそれにサービスが加わってくるわけです。技術から一歩進むと、余裕のある人達はそれにサービスを加える。例えば高級車のブランドで売るなら、納車のときにちょっとしたセレモニーみたいなことをしたりしますよね。内装もそうで、糊とか副資材的なもの、服装や道具も良いものを使うのは大切だと思います。お客さんに良い印象になりますから。

 

—例えばどんな道具でしょう?

この霧吹きなんかでも、高い(笑)。刷毛一つとっても代用はできるけど、パフォーマンス的に、他と少し違うということを見せるのにはきちんとした道具を使うのは必要かなと。100均の霧吹きでもできないことはないけれど、やっぱりそれなりの道具を使っていると価値観が出るので、道具はイメージ作りやブランド作りには一役買うと思います。統一作業服であったり、良い道具を使うことも、サービスという意味で必要なのかなと。かといって現場で前に出すぎるわけでなく、まずは何のために自分らが来ているのか、お客さんは何を求めてるかという中で、付加価値がついて一つのブランドとして成立すれば、それがサービスになると思います。ブランド力は必要ですね。

 


仕事の心得について、日々の仕事に追われていると、意外と聞けない話かもしれません。今後も職人さん向けの記事をお届けしていきますので、ご期待ください。


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